詰まっていたイベント、ステージがひと段落した、と思った途端、ひどい風邪をひいてしまいました。かつて記憶にないくらいのひどさで、熱は出なかったものの喉、鼻はひどいもんでした。こんな時にもしステージが入っていたら、と思うとゾッとしました。森進一さんをはるかに超えガラガラ、咳き込むと止まらない、病院で処方していただいた薬を飲んでもよくなるどころかどんどんひどくなっていきました。
タイミングをほぼ同じくして、友人がグループでハワイに行かれるという話を耳にして、冗談で「いいな〜、一人のハワイは寂しいけれど。皆さんと現地で会えるなら行こうかな〜」なんて口にしたら、アレヨアレヨと話が進み、ひさしぶりのハワイが現実となったわけでございます。(その時は、こんなに風邪がひどくなる、なんて思いもしなかった・・・)
今年の夏は今までの私としては、ずーっと音楽漬けで、しかも新しく経験することが多くて、その反動からか心身ともにすごく疲れてしまって、ついには歌うこと、音楽が嫌いになりかけていたのでした。ハワイもウクレレも「もしかしたら嫌いになった?飽きちゃった?」 一人ずーっと悩んでおりました。
休みたかったのと、気分転換したかったタイミングとぴったり合っていたのかな、予定も計画もなかったのにハワイ行きを決めてしまったのでした。
さてさて前置きが長くなって本文に入る前に疲れてしまう、といういつもの悪いパターンにはまりつつあります。
ハワイ行きが目前に迫ってきても、風邪の症状はどんどん悪化、「俺はハワイに何しにいくんだ〜?」との不安も増すばかり。4〜5日前にはやめようか、と思い始める始末。キャンセル料もったいないな〜。
思い切って昨年沖縄の丈二君に紹介してもらったハワイアンのミュージシャン「Bryan Tolentino」(世界有数のウクレレマスター)、「Halehaku Seabery」(ハワイの有名バンド『Na Hoa』のギタリスト)さん両名に、勇気を振り絞ってウクレレとギターのレッスンをメールで申し込む。拙い英語?単語の羅列?通じるのかいな・・・。(怖)
二人とも「いいよ」って返事が来た時には驚きました〜〜〜〜!
「ほんまかいな!?」
でもハワイアンなお二人?なので詳細も、場所も時間も料金も、なんにも返事がなく、最後まで会えるのか?レッスン大丈夫か?と不安いっぱいな感じで、とりあえず『ハワイへゴー!』
ツアーではなかったので、ホテルやレンタカーの手配も友人に情報をもらいながら恐々と。(汗)若い時にはバックパッカーやってたときもあったのになー、歳をとるとこんなにも怖がりになるものか… 久〜しぶりに身体の奥の奥の方に追いやっていた「勇気」を引っ張り出してきました。ハワイで一人で運転できるのか?一人でご飯たべられるのか?
ホノルル空港に無事着きまして、なんとかレンタカーも借りて、ホテルのチェックインまでかなり時間があるので、ノースのほうのウクレレショップまで行ってみようとナビにセットしたものの、日本語で話してくれるのはよかったが、どことなく変なイントネーション、教えてくれるタイミングが若干ずれるのと、教えてくれる距離を「キロ」ではなく「マイル」でしゃべってくれることに慣れず、目的地と反対に走ったり何度もUターンするはめになったり、時差でボーッとした頭には、かなりきついドライブとなりました。1時間後なんとか無事目的地に着いた時はバンザイしたくなりました。
さてお店をひやかしたあとはいよいよホテルのチェックイン。今回のホテルはフロントがあるわけではなく、事前に暗証番号等メールで教えてもらう、というシステム。ぜ〜んぶひとりでやる感じ。車を駐車場に停めるのにもキーが必要、その方法も分からず、ホテルの周りを何周走ったのでしょうか、私。一方通行逆走もしていたようで、ラッパー風のお兄ちゃんたちに親切に「ここは走っちゃダメだ」と教えてもらったり。変な汗でぐっちょりになりました。
ホテルの玄関に入るのにも、もちろん部屋に入るにもキーが必要で、玄関にひとりで座っていた警備員さんに何度も聞いて(彼の英語の早口のところがどうしても聞き取れないのだ、おじさんは!)最後にはマジでキレられてしまいました。
なんとか、なんとかマイスゥイートルームにたどり着いた時は、安堵で涙ものでした。その時になんと大きな虹が目の前に出迎えてくれたときには、来て良かった… と感動。
しかし、ハワイに来たからといって急に「体調が回復しました〜!」なんてことはなく、お咳はとまらず、ちょっと寒気もするし相変わらずレッスンの詳細は来ないし…
行くあてもなく半分しかたなくまたまたウクレレショップでも冷やかすかな、と決めハワイなのに寒気がするので厚着をして外出。ふと思い出し、以前息子のウクレレ購入でお世話になった「Tyler」さんのお店へ初めてお邪魔しました。素晴らしいお店には、タイラーさん自身が厳選した素晴らしいウクレレがた〜くさんありまして、大興奮。ウクレレや演奏の話など、コアな部分をタイラーさんからいっぱい聞けたのは、すごく楽しい時間でした。
その後「カニカピラグリル」まで行ってみましたが、日本からのフラの団体の方がたくさんいらしていて、その迫力に怖気付いてお店には入れず、ABCストアで買った食べ物がハワイ初日の晩餐となりました(涙)
成田空港でハワイのガイドブックを1冊買ってきてたのでパラパラ見ているとオックステールスープで有名なレストランが目に止まり「風邪で弱り切っている体にはこれしかない!」と、翌日のランチはこれ!と決めました。
車で15分くらいだったかな、人気店らしくローカルの人、旅人で駐車場はいっぱい。でも他にあてがないので前で20分くらい待って、やっと入店に成功。頼んだスープは期待以上で、その味は不安と風邪で荒んだ体と心にしみわたったのでした。
美味かったぞな〜、もし。
やっとこさハレハクさんとの連絡が取れ、レッスンのため彼の自宅まで。車で30分。素晴らしくすてきなご自宅でした。一流のミュージシャンなのに、ギター下手くそな私に優しく教えてくださいました。あっという間の1時間半。いや〜楽しかった。何気ないコードでも、やっぱりどことなくハワイの風邪を、間違った、「風」を感じる音色。来た甲斐があった。ぜひ!とお願いし、翌日も教えていただくこととなりました。
ハレハクさんとの二日間のレッスンの後。やっとその前日になり。チョー多忙の「ブライアン」さんから連絡がきて、なんとホテルまで来てくださることになりました。荷物は少なかったけれど、部屋を片付け、お掃除などしまして、彼の到着を待ちました。
個人レッスンの1時間は、ほんとにそれはもう「夢」のようでした。目の前で、美しい音色を奏でてくださり、大切なテクニックも惜しげもなく伝えてくださりました。レッスンの終わりにはなんと素敵なサプライズが待っておりました。
「今夜、僕とハレハクでレストランライブやるんだけど、何曲か歌わない?」
「ゥリアリィ!?」(解説 Really!?)
「オフコース! サンキュー!!!」
飛び上がる思いでした。まさに神様からのプレゼントでした。
「きてよかった」
その晩カニカピラグリルにご一緒するはずだった友達に「急に演奏することになったから、そちらには行かれなくなってしまいました。ごめんなさい。」の気持ちで連絡すると、なんとも嬉しいことにカニカピラグリル行きをキャンセルして(その日はあのウェルドンのステージだったのに、ごめんなさい)私の歌うお店の方に皆さんで来てくださることになりました。心強かった〜
素敵なお店でした。そして最高の時間でした。ワイキキ、ケアロハ、そしてキモフラ。お言葉に甘え3曲思いっきり歌ってきました。ケアロハはフラを友人に頼みました。会場盛り上がりました。ありがとうございました。
ちょっと疲れていた自分。良いステージをしなくてはいけないと自分を責め始めていた自分。いつも充実したレッスンを届けなくてはいけない、と力が入りすぎていた自分。
今回のハワイは忘れかけていた「音楽をもっと気楽に楽しむ」ことを思い出させてくれたような気がします。
嫌いになりかけていた音楽、ハワイ、ウクレレが前よりも何倍も楽しく感じられるようになった気がします。
長いこと、ご静聴、ありがとうございました。
最終日前日の「ダブルレインボー」
マ〜ハロ〜!
4 comments for “急なハワイ!”